Avatar
Official Artist
Rui Nakamura
Model , Author
180,408 views| 69  Posts

大英帝国の食を勝手に考える。

今までの私からは考えられないほどのブログアップ率の師走です。なぜなら、前々回のブログをアップした二週間程前、「今年中に3つのブログをアップするぜ!」と豪語してしまい、残りあと2日(これは29日に書いてる)、私は例えどんなに小さなことでも、一度「本気で」(ここ大事。たまに周りに合わせてテキトーに返事してるから)言ったことは何が何でも実行しないと気持が悪くて頭から離れなくなってしまうので、やります。皆さんも師走で忙しいとは思いますが、キャッチアップしていただけると嬉しいです^^

さてさて、わたくし、ただ今大英帝国はハンプシャーにおります。ま、滞在中にロンドン行ったりしてるんだけど、基本は田舎で過ごしてます。イギリスのイメージといえば、皆さん何を思い浮かべますか?クイーン?バッキンガムパレス?紅茶?ハロッズ?テディベア?

私はというと、、、

飯がマズい。

これです。これが真っ先に来ます。といっても今までイギリス自体そんなに来たことないし、いつも中華とかエスニック料理食べて、イギリス料理を避けてたけど。でも今回はそうは行きません。周りに何にもありません。イギリス料理を食べる以外、何もないのです。

私はかねてよりイギリス人に面と向かって、「君たちさあ、七つの海を制覇して、人の土地からスパイスとか食べ物とか色々ぶんどっておいて、何でまだあんなまずいの食べてんの」とずーっと言い続けてきましたが、サーカスティックなジョークを得意とするイギリス人たちには、これが逆にウケて、「だよねーほんとそうだよねースパイス使えばいいのにねー」と自虐的に返されてしまう。本人たちも認めるほどまずいのか。

そして今の時期はクリスマスからニューイヤー。イギリスの街並が一番美しく輝くこのシーズン。。。しかし、食事はもっとも最悪になるんじゃないか。なぜならば、イギリスのクリスマスは日本にとってのお正月。お節料理と同じで、この休暇中にキッチンに立たなくてもいいように、巨大なハムとかターキーを作っておいてそれを毎日食べ続け、伝統的なクリスマス料理も必ず頂く。そしてこれが全然美味しいと思えないんだな。

クリスマスプディングという、伝統的なデザートが出た日には「どうかしてる」と心の中で絶叫した。見た目はすっごい美味しそうなチョコレートファッジなんだけど、カカオなんて1%も入っておらず、砂糖の塊のようなスポンジの中からレーズンが親の敵かってくらいざくざく出てくる。それにブランデーとバターと砂糖を混ぜて作った「ブランデーバター」というソースをかけて食べる。。。書いてて気分が。。。何でそうまでして太りたいん、って言いたくなるコンボ。どんなものでも土地の伝統料理は(貝以外)美味しく頂く私ですが、一口目でギブ。するとイギリス人たちは「いやーこれはイギリス人も美味しいと思って食べてないよ^^」という。。。

思うに、この国の人たちは、食べ物への執着が日本人と比べても断然少ない。そして同じものを毎日食べることへの抵抗がほとんど無い。そしてヘルシーな食生活への関心も極めて薄い。味の無い茹でただけの人参を食べても、なぜだかヘルシーなものを食べてる気がしないほど、全体的に味がないのにお腹に溜まる。逆にすごい。もちろん、都市部に住む若い層は違うのかもしれないけれど、少なくとも、田舎(イギリスでは田舎住まいのほうが生活費がかかる)の伝統的なファミリーには、そういうライフスタイルは馴染まないみたい。

とはいっても、そういうファミリーは、一旦お客様を招いてパーティを開くとなると、シェフをよんでイタリアンを振る舞ったり、「なぜ今まで隠してた」と言いたくなるほど、お母様やおばあさまたちが腕をふるう。極端なのですね。「毎日食べること」と「お客様をもてなすこと」は全然重要度が違うようです。私は毎日の食事も同じくらい大切なんだけどな。。。

そしてある日限界が来た私は、「皆様に日本食を振る舞おうではないか」と言い、街に一つだけあるオリエンタル食材を扱う店にいき、カレーろポテトサラダと餃子を作ることにした。「その組み合わせは炭水化物が多すぎじゃないか」というイギリス人たちに対し、「何言ってんの、あんなハイカロリーなものばっかり食べてるくせによー言うわ」と言い返すと、「あははは、だよねー!」だって。。。何か勝てない気がするわ。

結果、ディナーは大好評 。いや、むしろセンセーション。人生において、カレー20人分を作ったのも他に記憶ないし、あんな美しい皿に盛られ、紋章入りの銀のフォークで頂かれているところを初めて見て、盛りつけ大事だわ、と認識した。 そしてその後、残りのキューピーマヨネーズをかれこれ連続7日間食べ続けているハムに誰かが使ったらしく、これまた第二次センセーション 。「何だこのソースは!!」と騒ぎになり、皆が購入し、今や、テーブルに必ずキューピーマヨネーズが置かれている。。。ふふふ。。。全員マヨラーにしてやったぜ。私も皆に便乗してマヨネーズ使いまくってるわ。でもこれって結局、この人たち、食への興味がコンサバすぎて、知らないことが多すぎてるだけなのかな?何だかんだイギリスも階級社会でコンサバで、伝統ある一族は固まりがちだしなあ。

そういうわけで未だ、イギリス人にとっての「食」のポジションを測りかねています。しかしあの食の貧相さのお陰で、何の未練もなく故郷を離れ、七つの海を制覇出来たのかもしれません。日本人が故郷を離れるなら、手に余るほどの日本食を持っていくし、未練タラタラで日本食食べないと覇気が出ないかも。

明日は日本食を予約したぜ。今から楽しみすぎる。ふ。

almost 11 years ago 0 likes  0 comment  0 shares

About

Learn More

Languages Spoken
english, cantonese, mandarin
Location (City, Country)
Hong Kong
Gender
female
Member Since
October 7, 2008